福島県南会津郡下郷町、江戸時代に会津西街道(下野街道)の宿場町として栄え、その頃の町並みが保存された福島県随一の観光スポット『大内宿』に行ってきました!
そんな魅力満載の大内宿ですが、アクセスはそこそこ大変。
東京からは車で3時間以上かかり、電車(新幹線)で向かうと郡山〜会津若松〜湯野上温泉とローカル線を乗り継ぎ、そこからバスまたはタクシーで約20分。ざっくり4時間コースです。(今回筆者は後者の車なし・電車+バス移動で向かいました)
とはいえ、GWなどの連休や紅葉シーズンは大渋滞ができ、年間約80万人もの観光客が訪れる超人気スポット。筆者も一度は訪問してみたく、今回実現することができました!
本記事では、その伝統的な街並みやグルメなどを中心に、写真いっぱいでレポートします!
本記事は2024年8月訪問時のものです。
サービス内容や時間などは変更になる可能性もあり、予めご留意をお願いします。
湯野上温泉駅 → 大内宿へ
- 東京 → 郡山へ新幹線(やまびこ)で約1時間20分
- 郡山 → 会津若松(磐越西線)へ約1時間
- 会津若松 → 湯野上温泉(会津鉄道)へ約40分
トータル3時間以上かけ、大内宿の最寄駅・湯野上温泉へやってきました!
大内宿を思わせる、茅葺き屋根のレトロな駅舎です。
駅自体はそれほど広くはないですが、お土産物屋さんや囲炉裏のある休憩スペース、ちょっとしたカフェがあり、駅舎横には足湯(親子地蔵尊の湯)もあって、電車が来るまでの時間を過ごすのにぴったり。
また、駅周辺には複数の温泉宿があり、宿泊で来ても良さそうです。(筆者は前日に会津若松で観光し、東山温泉に宿泊してからこちらに移動してきました!)
余談ですが、湯野上温泉の少し手前(北側)には「芦ノ牧温泉」という温泉地も。鬼滅の刃・無限城に似ていると話題の「芦ノ牧温泉 大川荘」はこちらにあり、鬼滅ファンならば一度は泊まってみたいホテルですね。
駅を出て左手に少し歩くと、湯野上温泉と大内宿を往復するバス「猿游号(さるゆうごう)」が。
利用当日、利用客はそれほど多くありませんでしたが、運行本数はそれほど多くないので、不安な方は事前にネット予約(こちら)しておくのをオススメします。料金は往復1,100円/大人1人でした。(2024年8月時点)
乗車時に、大内宿・山形屋で使えるおもてなしクーポン券をいただきました!
バスに揺られること約20分(約6km)、ようやく大内宿に到着しました。
10時過ぎ、駐車場待ちですでに何台かの車が並んでいました。
これはまだ全然少ない方で、お昼すぎには先が見えないくらいの大渋滞となっていました。車で来られる方は朝早くに来たほうが絶対良いです。
大内宿 〜町並み散歩〜
では早速、大内宿を歩いてみたいと思います!
バス亭はこちらの入口を過ぎたところにあり、筆者は入口から見て回りたかったので少し戻ってから散策開始です。
昔ながらの佇まいが残る、とっても素敵な町並みです!
江戸時代の参勤交代のとき、ここでお殿様ご一行が休憩されたんだな〜ということを思いながらゆったり散策。
時間は10時30分頃、程よい混み具合です。
8月なのでかなり暑く、少しでも温度を下げるべく打ち水をしている方も。
打ち水で書かれた「大内宿」は、墨と筆で書かれたように見えて周囲の雰囲気ともマッチ!
大内宿特有ポストや、涼しさと懐かしさを同時に感じられるラムネも素敵です。
食事や土産物の購入などができる、茅葺き屋根の建物がたくさん。
思わず立ち寄りたくなりますが、とりあえず大内宿全体を見渡せる「見晴台」に向かいたいので、我慢して歩きます。
お食事処では「そば」の看板が目立ちます。大内宿では「ねぎ1本」を箸代わりに食べる「ねぎそば」が有名なので、後ほどのランチタイムでいただく予定です。
カラフルな小物類が目を惹く、ちりめん民芸品のお店(本家 叶屋)や、「赤べこ」「起き上がり小法師」をはじめとする会津土産を売っているお店も。
本家 叶屋さんでは、ちりめん民芸品の他にお漬物や味噌漬けなども販売しており、店頭で試食もできます。
あいにく筆者は漬物全般が苦手なので味わえませんでしたが、町歩きの休憩がてら立ち寄ってみても良いかもです。
大内宿入口付近にある「三澤屋酒屋」では、会津地方の様々な地酒やオリジナル日本酒の販売も。
いろいろなお店があって、ぶらぶら見て回るだけでも楽しいです!
大内宿 町並み展示館(臨時休館で入れず・・・)
大内宿のほぼ中央には、かつの問屋本陣跡を再現した「町並み展示館」があります。
250円で、茅葺きに関する資料や昔の民具等の展示を見学できる・・・そうですが、残念ながら臨時休館中で入れませんでした。(涙)
見晴台
大内宿メイン街道の突き当り、大内宿を一望できる「見晴台」にやってきました!
観光スポットの紹介等でよく見る写真は、おそらくここから撮影したものが大半。
急な石段を昇って高台へ。ただ距離は短いので、それほど疲れることはないはず。(勾配のゆるかな迂回路もあります。)
石段を昇ると「子安観音」があり、右手にたくさんの人が集まっているスポット・見晴台が。
パンフレットの写真等で見られる風景が目の前に!
宿場町を一望できるベストポジションで、大内宿に来たら絶対に訪れたいスポットです!
ちなみに緩やかな迂回路側には「正法寺」というお寺も。こちらを経由してゆったり訪問するのもオススメです。
ランチ(ネギ蕎麦 @山形屋)
一通り町を散策し、見晴台にも訪れた後はお待ちかねのランチタイムです!
大内宿では、「茅葺き屋根の町並み」に並ぶほど有名な「ねぎそば」をいただきます!
ねぎそばが食べられるお店はたくさんあるのですが、今回はこちらの「山形屋」にやってきました。(前述のおもてなしクーポン券で「栃の実もち」がいただけるということなので!)
大内宿入口付近の三澤屋さん。大内宿到着後すぐ(10時30頃)は空いていましたが、お昼頃に戻ると「約90分待ち」の案内が。
大内宿内にはこちら以外にもたくさんのお店がありますが、人気店は行列ができてしまうので要注意です。
畳敷きの広々とした店内。田舎のおじいちゃん・おばあちゃんの家に来たような懐かしさと安心感があります。
真夏でしたが、大きく開いた窓からは心地よい風が入ってむしろ涼しい。
注文したのはもちろん「ねぎそば(街道おろしそば)」!
加えて冷たい瓶ビールに、おもてなしクーポン券でいただく「栃の実もち」!
そばのトッピングは鰹節と大根おろし。そして注目すべきネギ丸ごと一本。これを箸代わりに(普通の箸もありますよ)使ってそばを食べるという独特のスタイル。ただ、ネギそのままでは太すぎる&滑るので、一口かじってからそばをすくうのがポイントだそう。薬味としてのネギも合わさって、暑い夏にはぴったりの逸品です!
なおこちらのネギは、先端の緑の葉の部分が切り落とされた形で出てくるようです。他店では切り落とされず出てくるところもあるようで、「ザ・ネギ」を期待している方にはちょっとイメージと違うかもしれません。
大内宿 山形屋
- 住所
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〒969-5207 福島県南会津郡下郷町大内字山本43
- 公式サイト
高倉神社
念願の「ねぎそば」をいただいた後は、町並み展示館の裏手(大内宿西側)にある「高倉神社」へ。
街道から少し離れた場所にある神社で、平清盛に反旗をひるがえした高倉宮以仁王(たかくらのみやもちひとおう)を「高倉大明神」として祀っているとのこと。
本殿背後には、御神木として樹齢約800年・樹高56m・胸高周囲4.3mの大スギがあります。
あまりに大きすぎて、写真ではその偉大さが伝わりません・・・。
ぜひ、ご自身の目で確かめてください!
食べ歩き & お土産
一通り観光も終えたので、最後は気になったお店を一軒一軒訪問し、食べ歩き&買い物を楽しみたいと思います!
まず訪れたのはこちら「山本屋」さん。店内で「くるみそば」をいただくこともできます。
イワナの塩焼きやお団子が美味しそうすぎて・・・。
ついでにキンキンの缶ビールも買ってしまった。最高です。
大内宿 金太郎そば山本屋
- 住所
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〒969-5207 福島県南会津郡下郷町大内山本15
- 公式サイト
- 公式Instagram
続いてやってきたのはこちら「南仙院 本家」です。
「会津名物 そば粉の天ぷらまんじゅう」に惹かれて立ち寄りました。
実は前日、会津若松の鶴ヶ城でも天ぷらまんじゅうを食べたのですが、あんこの甘みに香ばしさとサクサク感が加わってとても美味しかったので、こちらでも購入してしまいました!
写真では伝わりにくいと思いますが、ほくほくでサクッとした食感が病みつきになりそう。食べ歩きにちょうどいいお手頃価格&サイズ感なのも嬉しい。
大内宿 南仙院 本家(なんせんいん ほんけ)
- 住所
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〒969-5207 福島県南会津郡下郷町大内山本30
- 公式サイト
大内宿の入口付近に戻ってきました。
ちょっと歩き疲れたので、こちらの古民家カフェ「分家 玉や」にて休憩します。
茅葺き屋根なところは他と変わらないですが、黄色の壁面がモダンな新しさを演出しています。
窓際・外に面したカウンター席がメインの店内。大内宿ではそばやイワナの塩焼き、まんじゅうといった和物が多い中、こちらではケーキやコーヒーといった洋スイーツが愉しめます。
米粉ロールケーキ&いちじくショコラ(税込各550円)に、アイスコーヒー(税込550円)を注文。プレートや器が古民家の雰囲気とマッチして、とても素敵なカフェ休憩に。
大内宿 分家玉や(ぶんけ たまや)
- 住所
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〒969-5207 福島県南会津郡下郷町大内権現上358
- 公式サイト
- 公式Instagram
最後にお土産を物色します。たくさんのお店があって、どこで買うか悩むほど。
温泉街など、日本の観光地のあちこちで見かける”ゆべし”を購入。こちらは「柿ゆべし」ですね。あと、今回は夜のホテルのつまみにもなりそうな「せんべい(ネギみそ)」も。
会津名物なのかは不明です。こういうのは考えすぎると買えなくなってしまうので、フィーリングとノリで買わないとですね。笑
(おまけ)湯野上温泉駅へ戻り、お座トロ展望列車で鬼怒川温泉へ
4時間ほど滞在し、再びバスで湯野上温泉駅に戻ってきました。
大内宿はこれでおしまいですが、この日はもう一つのイベント「お座トロ展望列車」を予約していました!
これに乗って、今度は栃木県の鬼怒川方面へ移動します。
こちらの列車には以下3つのタイプの座席があり、いろんな角度で会津線を楽しむことができます。
- トロッコ席
- お座敷席
- 展望席
筆者はトロッコ席を予約。こちらの座席には窓がなく、大自然をダイレクトに感じることができます。
夏の暑い日ですが、そんな暑さを吹き飛ばしてくれるほどの爽快感が魅力です!
列車内には売店もあります。各席にテーブルが付いているので、お菓子や飲み物を買って過ごしたいですね。
大内宿の景色もいいですが、緑に囲まれた渓谷の絶景にも癒やされます。
ちなみに湯野上温泉の隣駅「塔のへつり」も有名な観光スポットの一つ。塔の形をした断崖と、そこに架けられた吊り橋があるそうです。今回は時間の都合上訪問できませんでしたが、また来る機会があれば寄ってみたいです!
以上、大内宿(+お座トロ展望列車)観光をレポートしました!
1kmにわたって続く茅葺き屋根の家並みは、江戸時代にタイムスリップしたかのよう。ねぎそばをはじめとするグルメも満喫でき、非日常感のある時間を過ごすことができました。今回は夏の訪問でしたが、紅葉や雪景色が見られるシーズン、大内半夏まつりなど、時季を変えればまた違った表情を見せてくれそうですね。
余談ですが、お座トロ展望列車で湯野上温泉 → 会津田島駅へ移動したあとは、特急リバティに乗り換えて鬼怒川温泉へ移動しました(約1時間30分)。東京から大内宿はそれなりに距離があるので、鬼怒川や日光に立ち寄ってみるのもオススメです。2023年に運行開始した列車「スペーシアX」やSL列車も運行しており、電車の旅も楽しいです。お座トロ展望列車と合わせ、ぜひ参考にしてみてください!